一を聞いて虚数解

枠の外の話

浦和レッズ敗戦記を読んだ。

国内リーグの国内チームの、それも負ける方の話って珍しいよなーとおもいつつ買った。

浦和レッズ 敗戦記

浦和レッズ 敗戦記


時期と出来事にあわせそれぞれの選手のインタビュー・システム・出来事を照らし合わせての検証的な感じで、テレビのドキュメンタリーを本にそのまましたらこんな感じなんだろうなと。FW・若手・キーマンとかいろんな角度になってるのでもしかしたらあなたのチームの崩壊の前兆をここから読み取れるかも…だけど2007の段階で微妙にきしみがあった(とはいえACL勝ってるけど)上でのスタートなので、前兆を過ぎた部分での展開なのであしからず。
とりあえず読んで感じたのは「中と外でのギャップ感」サポーターの行動と中での出来事が思った以上にリンクしてないすれ違いの部分。
もちろんどっちが悪いとかでなく、どっちもその立場で考えた結果としてああなった部分があり、それは思った以上に互いにプラスになってなかったってだけですが。
と、同時にあれだけのサポーターの数と熱を誇る浦和でこういう感じなのかという、目をそらしてた感すらある「時としてサポーターは無力と化す時がある」という感じを目の当たりにしたのがなんか怖かった。もちろんながらサポーターの全てが無力と言うわけでなく、この流れを食い止める術としてほとんどプラスになってなかったように描かれてたのはちょっとショッキング。他サポな自分の中で「あのチームで起きるのか」的な部分でのショックがあるのかも知れなません。
まあ、2008年は私の応援する某チームも正直ふがいない結果になったし、それについてかなりあーだこーだやってた言ってた記憶があるのですが、それってのも単なる戯れ言なんだなーと、当然のことを改めて実感してゾッとしたというかうはーってなったりしました。
まあ、ここでは描かれなかった部分(他の選手・コーチ。そしてフロント)もあるのでこの中にあることが全てではなく、「その状況でもがいた者たちの話…」みたいな一つのチャプターでしかないのですが。
とりあえず、単純に今Jリーグの中でのチームの「中」を流れを追って見ることのできる、ひいては一年のシーズンを通すスポーツのむずかしさを垣間見る貴重な一冊かと思います。
浦和サポーターがこれを読んでどう思うかは解りません。たぶん一番これにギャップを感じる可能性があるから。(むしろ個人的にはこれを読んだ浦和サポがどう思うのかは少し興味があります)
他サポな方も読んで見ると自分の立ち位置とチームとの距離感とか、感じる部分はあると思います。