一を聞いて虚数解

枠の外の話

城福さんの本からの中断期間の右往左往を考える。

なにせ我らが監督ですから。Kindleで売ってたし。ということで読みました。

Jリーグサッカー監督 プロフェッショナルの思考法

Jリーグサッカー監督 プロフェッショナルの思考法

監督になれるってことはないかと思うけど、「組織の1ポスト、仕事としての『監督』」っていうのに触れられる数少ない本だなとは思います。

基本的には「監督って仕事のローテーション」と「それがどういう理由でやってるのか」と「自分のチーム作り指向」と「世界のチームの良さ(というか指向的にその突き詰めとしてのバルサ」という辺り。前半の2つと後半の2つが流れでひとまとまりでの二章構成とみるとわかりやすい。

最初の監督の仕事という部分は2012ヴァンフォーレ甲府を実例としているだけに自分の実感がともなって非常にわかりやすいのと同時に、「そういう部分あったのね」っていう部分もちらほら。当然本に書く辺りなので詳細とか理想と現実の乖離みたいなのは間違いなくあるとは思うけど「その方針をもとにああいう行動してる(た)んだろうな」っていう監督への理解につながるので、読んでおくと負けたときの寛容さが生まれます。もともと寛容な人は?勝因についても敗因もについても推理するいい指標となる。かと思います。

後半の部分は甲府よりも前のキャリア(FC東京とか年代別代表とか)を主にして語ってる感じで、ある意味甲府というチームに挑むのが城福さんにとって未体験ゾーンなんだなっていうのと、甲府とそれらのチームとはだいぶ差があるんだなという部分も垣間見えたり見えなかったり。

あと戦術指向とバルサ、海外の選手の話にしても「サッカーなのに釣りですか?アフィブログとNAVERに餌になるように頼まれてるんですか?」みたいな文章しか書けないあの人やあの人とかとはちょっとちがう部分はあったりなかったり。

で、今更その感想でどうしたのというのはあるんだけど、要はこれまでの外国人右往左往の中断期間なわけですが
アレをあの本読んだ素人的には「どっちをとるか」っていう部分はあったんだろうなと思えるわけで。前任のダヴィに関してはDFにも走る。本当によく走る。フェルナンジーニョの分も走る(あとJ2だったのでそれで結構相手のビルドへのプレスとして効果があったというのもある。だんだんそれが効かなくなってきた部分あったけど)という部分もあるTheセンターフォワードだったというのが非常に大きかった。というより、もともとそういうのがわかってるから復活に賭けたんだろうとも。かつてそういう事ができてた実績っていう部分。

となると、オルティゴサは…さすがにダヴィに比べるのは酷かもしれないけど、本当に点取り屋風味だしプレッシャーには行ってなかったなと。とってなるのと同時にJ1に上がってたので相手のビルドが脅威に感じてくれないってのがわかってきちゃった。というのもありそう。中断期間が等しくあるので相手も解っちゃうとそこでいなしちゃうというのは十二分に考えられる。(あとそれに対するそりも合わなかった模様だけど)ジョーカーで使う枠ではない以上…ってなった感じはある。

そう考えるとウーゴは及第点以上だよなって思う。が、ここはどうなるかは正直わかんなーい。
とはいえ、ファーストディフェンスするだけでなく、相手を押し下げる、惹きつけるだけのヤバさ(しかもJ1で)ってなりつつ城福さんのそれに合う選手ってなると少ないよなっていうのは実際思う。

ただ、二枚替えとなった時に本当に回るの?機能するの?っていうのは拭えない恐怖であり。多少崩れても個の力でどうにかなるって層ではないのは事実なので機能するか否かっていうのは上位チーム以上にシビアにならざるをえないというと。

という板挟みがあったんだろうとは思います。で、現状オルティゴサはもろもろあって切って、ウーゴは…ってなってるという。

なんでそこまでファーストディフェンスが大事なのかって部分に関しては、Jリーグ見てる人なら一目瞭然だし、そうでなくとも世界的に当たり前になり。簡単に言うと「ファーストディフェンス→相手がそれをかいくぐろうとする(この時点でオフェンスの選択肢絞られる)→その選択肢を察知して後ろがポジションを取る」になるので
ファーストディフェンスがない=ディフェンスの計画が計画として成り立ってない状態になる
ということ。『図.1の三角形の面積求めろって言われても、図.1には点Pしかない』っていうレベルの破綻ぶり。

もしなんとか次のラインでファーストディフェンスしようにも、FWが仕掛けるよりは低い位置やらざるを得ないので、仮に守れたとしても「後ろからのビルド」っていう今度は相手のファーストディフェンスの餌食になる位置から始めないといけない。というのは可能な限り避けたいとなるとファーストディフェンスからプレッシャー掛けることで高い位置からディフェンスかけ始めて、高い位置で奪う事で、高い位置から攻撃を始めたい。ということ。

って言ってる間にジウシーニョか。まじめに走るっていう点とアタッカーという点ではそこら辺に合致してるんじゃないかなと。国内しかもJ1でも実績あるしね(ダヴィ後釜とウーゴの相方?との比較じゃそりゃ違うけど最初からジウシーニョいっとけば…感は無きにしもあらずんばですが)獲れれば結構凄いと思うけど、はてさてどうなるやら。