一を聞いて虚数解

枠の外の話

おらの街さにエバーが来たんだ。

ってことでエヴァンゲリオン展@新潟を見に行ったんですが、おもしろかった。

ただ、アニメのキャラクター掘り下げとかメカ的な掘り下げだとか、そのへんに関してはあんまりないんですよ。なのでたぶんそこら辺をイメージして見に行った人にとって(が結構多いと思う)は「??」ってなったんだろうなとは思います。

この展示の面白さというかキモって「アニメーションは見るより作るほうが楽しい」という展示部に入った最初に庵野さんのコメントがあったあれ。アニメーションを作る面白さ。って言うのを、エヴァという知名度的にもとっつきやすい題材で展示してたんだろうと。

展示内容はアニメーションの製作の手順に則った「製作中の原画」の展示。とにかくひとつのシーンでデザイン、動き、背景、エフェクト、アニメーション(とカメラワーク)3DCG脚本と台本などなど、何回も絵を書いて「絵を言語として」やりとりしてる感じが読み取れて、このワンシーン作るのでどれだけの労力とかかかるんだろうなって成るのと、それを全部追った上での同シーンの完成形を見るといろんな部分を何度も見返したくなる。

このへんは「説明読みつつ、完成映像見つつ、また原画に戻りつつ」みたいな繰り返しで見ると面白かった(他の来館者のじゃまにならない程度に)

で、その後は今回の新劇場版の設定キャラクター、メカ、町並みとか設備の設定とかに係る方の原画が並ぶという感じ。おおまかに二部構成。

前半のアニメーション製作を振り返りつつ、設定の原画を見てると、「全くの想像」を形にしつつ、そこに設定(大きさ重さ動き思考ルーチン他)をのせつつ、それを現実に置いた場合の動作、影響(建物にぶつかるとか武装によるダメージとか必要なエネルギーとかのコスト的な)を叩きだして、それを反映させた上で「アニメーション」としてアニメーションに肉付けさせる。

そんな果てしない上に正解の見つからない作業をひたすらに繰り返してたんだなと思うと、途方も無い感じが見て取れて凄かった。その上で新劇場版の出来にまでブラッシュアップするということに対しての時間と労力とリソース。何より制作側のイマジネーションとか徹底っぷり(が、チームで出来てるってあたりが更に凄い)すごいなと。一枚一枚絵を描く手間を考えて、それをあの時間のアニメに仕上げるためにどれだけの「絵を描いた」んだろうなとか。

前半のアニメ作成フローもそんな感じだったけど、後半の設定に関しても「絵に落とすまでに頭のなかと紙とで何回絵を書いたのだろう」と思うと果てしない感じがある。

とにかく、そんな「多すぎて見流してしまいそうな多くの絵」から感じ取れる「このアニメをつくり上げるまでの途方も無い絵の数」を感じ取れるとこの展示は数段面白くなるんじゃないかなと思った。