一を聞いて虚数解

枠の外の話

e-Sportsの前に、アマチュア「ゲーミングプレイヤー」がもっと増えていい

この手の界隈の人にとっては多分当たり前なんだろうし、スプラトゥーンで何がわかると言われたらそれまでなんだけど、オンライン対戦が広まって以降のゲームというのはこれまでの「ゲーム機を使ってゲームする」というものから様変わりした「広義のスポーツ(ルールに基づいた競技)」に近いものになりつつというかなってるという感じがすごい。「ゲーミング」という一つの趣味、エンタメとして確立されていいんだろうなぁっていう感覚はおそらく実際にこの手のゲームをやった人にはわかると思う。

で、今e-Sportsだの言われて団体できたりして話題にはなってるけど、もう一つやり始めて感じたのは、今いきなりそうやっても、海外みたいな盛り上がりにいきなりなることはないので、夢見た人がコケてフォロワーがつかなくて不毛の大地になりそうな気がしてならない。ということだったりする。(もちろんそのへん仕掛ける人もそんなの折り込み済みの情熱でやってる可能性もあるし、ある種割り切った界隈への盛り上げのためにやってる人もいる。というのはあるだろうなとも想像できるけど)

単純にゲームからe-Sportsの間が結構遠いということを肌感覚で感じたというところが出発点だったりする。

なんだかんだいってショービジネスになるe-Sportsの選手になるって結構大変なことなんだと思う。特にシューティング系格闘系とかそうだけど現状プロプレイヤーになるスキルと社会性が完全に両立してる人って年齢(若いほうが身体能力的に強いのもあって)やそれに付随する社会経験の有無などから正直少ないし、他のプロスポーツと違ってそれを補う「組織」や「仕組み」がないというのが大変だと思う。

で、それを慮るはずのファン・サポーターたるプレイヤーについても、結果への煽りや不要な罵倒をしたりかと思えば、それでいてアイドルや聖人的な立ち居振る舞いを求めたり、わりと要求が急にハードル上がったりするのでそのギャップがいろいろ歪なことになってるなぁとは思う。順を追って出世していくのと、突如もてはやされるのとでは社会的立ち居振る舞いが大きく変わるし、変なゴシップとかの有無も変わってくる。けど、実際今はそういう育成スキームがない。スポーツ選手並に育成期間がないとか、配信→SNS他みたいなハイリスクな拡散ルートがあったりするなど、端的に新卒社会人がいきなり大型案件ど真ん中に投げ込まれるみたいな状態があるのが大変。一部プロチームがうまく行けば…とはおもうけど、やはりそこまでにいろいろやらかしてしまえば、界隈トータルへのマイナスイメージにはなってしまうので。

その合間を埋める「ゲーミングが趣味」というアマチュア層が広まって、プレイヤー年齢層が若干上がるようになればまたちがってくるのかなと。トップ側のスターは必要だけど、同時にボトム側の緩やかなアマチュアプレイヤーの増加と成熟。どっちも必要なことだと思う。

ゲーマーとゲーミングが趣味のアマチュアの差ってなに?っていわれると要は「その道のトップへの尊敬を持てるプレイヤー」ということ。配信含め「オンゲーで下手なことすりゃ大変」ということを背負ってゲームすることで、その手のマナー違反に対することの重大さを理解してるプレイヤー。とでも言うべきか。
他のスポーツだと高校野球選手・クラブユース所属のサッカー選手、チャレンジランナー、とかそういった類のプロ選手ではないけど、その道や界隈へのリスペクトがあるアマチュアプレイヤー(競技力が高ければなおよい)そういう人が視聴者としてもいい循環を作っていけるとも思う(不要な罵倒・過度の神格、アイドル化による人への悪影響などの抑制などの意味で)

これまでの配信・動画コンテンツのもてはやしが結構そういった「アイドル化・神格化」「いじりコンテンツ化」がほとんどでそことは違う「社会的尊厳」というか「お仕事お疲れ様」「じゃ、またやろうな」的なねぎらいができる関係性を持てる人が増えるといいなと思うし、そういった距離感がゲーム・ゲーミングプレイヤーにできるようになったときにゲームがe-Sportsという一つのジャンルになっていくんじゃないかなって思った。

プレイヤーをプレイヤー的にリスペクトするという観点はプレイヤー、配信者とかにならないと増えないし、国内の視聴者ってどうしてもアイドル・いじり・信者のどれかになってしまっていい距離感が保てない感じがあるのが辛い。

抽象的だけどなんとなくわかってもらえると幸い。