一を聞いて虚数解

枠の外の話

修羅の国から2012再会〜 J2第6節 北九州抗争

「子供たちが見ています」とかフェアプレー宣言とかフラッグとかなんだと思ったら全部フラグか。お前らなりのエイプリルフールか何かか。そりゃあのダヴィですら怒髪天を衝くぞ。とかそういう事は一切思ってません!!!りすぺくとりすぺくと(棒読

しかし思い起こせば甲府もJ1では荒い荒いと言われてきたし、2010年もギリギリのプレーはしてはいる。その立場としては、みぞおちヘディングで退場とかしてしまったチームとしては、やはり余裕が無い後輩チームに、それはわかるがさすがにベクトル違いすぎるということを「右の頬を叩かれたら、左の頬と勝ち点を差し出せ」という身延山久遠寺もおどろきの寛大なる心を見せつつ、「荒いプレーというのは瀬戸際でやるもので、そういうCountry of carnageみたいな真似はよくない」と諭さねばならない。先輩チームの役目であるのかと思えば、これも一つのフレッシャーズキャンペーン…とか、よくわからないことは思うのもまたJ2。

              • ここまで余談-----------

とりあえず北九州の印象が「それ」しか残らなかったのは事実。大怪我がなくてほんとうに本当に切実に良かった。

と、横に置きつつこの負けパターンを考える。

簡単に言えばやりたい事が出来なかった。決められなかった。よく聞くフレーズだけど、たぶんこれは相当悩まされるんだろうなとは思う。それを実感した試合

なんで悩まされるかというと、このチームの指向が、ムービングなんちゃらなんですが、それの完成度の部分が、そのムービングを「長く、シンプルに、正確に」相手の妨害に負けないでいられるという事であるから。当然そこからフィニッシュに持ち込むのとかの判断とか、フィニッシュ精度とかあるんだけど、そこはまた別として、とりあえず城福さんが見てるのはそこだと思う。
その要素を見ると
・ボール回しのシンプルで正確なパス
・ボール回しを続けるための連動性
・ボール回しをとにかく続ける事
・そこから一転してアクションに入るための「読み」ないし「感覚」
・アクションに入った時のフィニッシュ精度
・以上をバランスとリスクヘッジするためのラインコントロール
とまあ、多岐に渡る要求。ラインコントロールとかは別の要求段階だろうけど大事なのでこっちに入れてる。前のプレスに合わせて最終ラインを決めてるようなので。

まずシンプルで正確な「パス」。次いで周りとの「連動性」。その先がそれを「続ける」事。次いで「判断とフィニッシュ」(なのかなと思うと、その最後の部分が経験に裏打ちされやすいので、同じ事ができるならベテランをとるという意味も合点がいく。)練習とか見られれないけど、後の方ほど個性に影響されるので、練習としてはパスと連動性の部分の練習がおおくなってるんじゃないかと思う(実際どうなんだろう

平たく言うと「一番効率の良い勝ち方」を探すのでなく「この勝ち方でいかに効率良く勝つか」という事を求められている。


敗戦を思いだすと、北九州に「途切れさせられる」たぶんこれにはものすごく弱い。一回切れるとまたスタートから動き直しだし、一回崩した相手も戻るので、続ける事で生んだアドバンテージを全部リセットされる。一試合というスパンで見れば、北九州も連動性は出てる場面はでてるし、結果それでゴールが決まればいいわけで。ずっとボールを保持するより、「最低限必要な尺」で「テンポよくフィニッシュ」を「手数多く」やって数うちゃ当たるで出す方が圧倒的に効率的。さらに言えば守り方がキレイだろうがダーティーだろうが、プレッシングだろうがインターセプトだろうが相手のミス誘導だろうが、極端な話殴打だろうが、相手のキーを確実に抑えられれば、そのぶんを他に回せるというのは同じで、効率という部分ではどうでもいい。(退場とかシーズンで見れば出場停止というリスクはあるが)

「効率のいい勝ち方」に「今の甲府の勝ち方の効率」が負けたってことである。(それがパスサッカーなのかカウンターなのかとかは相手の指向なので、あまり関係ない)

同じ負けとして山形があって、直接的には北九州と同じで、とにかう攻撃をうまく回させてもらえなかったという意味では「とにかくプレスでこっちの精度を削り続ける」のにも弱い。ただこれは相手もプレスの連動が求められるという部分ではできるチームが限られてくる。後半戦はそこら辺ができるチームがふえてくるんだろうけど。

今回の負け方は多分山形の時以上にこのやり方の根本的な弱い部分に触れてるのではないかと。正直このやり方されると「引き分け」でも徐々に迷いみたいなのが出てきそうなので。J2の怖さって部分ですなー。この勝ち点1が一年を無にしてしまう引き金かもしれないという恐怖ってやつですね。

愚痴はともかく、それじゃどうすんのってなると…そこが難しい。どっちにしても、やっぱりやろうとしてる事への妨害。特にDF・FWというところへ当たられた時にどこまでいけるか。に尽きる。北九州が示したとおり、「どんな手段であれ」FWがCBで止められるとどうにかなるという状況の方がまずい。FW以外のフィニッシャーも欲しいしFW以外の起点も欲しい。
これに対しては
・その妨害に負けないクオリティ、強さを持つ
・別の起点ができる
・別の攻め手を持つ(途中から入れる)
というのがパッと思いつく。最初のは選手にがんばってもらうしかない。多分これができれば言う事はない。とはいえグーで殴られても物ともしないサイボーグにでもなれってのはそれは酷な話。ただ、フィニッシュへのもっていき方、ボランチあたりの飛び込みとかの緩急はいまだとやや足りなさそうに…

二番目も選手に頑張ってもらうようになるだろう。もしくは選手変えるってなるけど、今後はともかく、現状ではFWもDF(SB含め)もほぼこれ以上ないベストといっていいだろう。けが人が戻ってくるとか、今のベンチ・ベンチ外が…ってこれは前から何度も言ってるか。(そもそも獲得方針が…とか別の問題点はあるけど…って以前も同じ事を書いてたような)あと、おいそれとあそことあそこを変えれば…ってほど最初のチームとしての「自分たちがやりたいこと」が簡単ではない。というのもあってしばらくはコロコロ変えられないし、むしろ変えられる程理解して、かつこれに+αできるようなのがとっとと出て来い。って意味ではやっぱり選手に頑張ってもらうしか無いのかなと。(これも繰り返しになってるか)


最後の部分は、開幕から片桐・井澤を入れて、柏を更に前目で4-3-3気味で動かしてるということでずっとやってる様子。別の攻め手そういうシフトチェンジはこれから実戦に投入できる選手が増えればそれだけ別のユニットも出てくるだろうか。

山形戦の時の「自分たちがムービングするのが困難になる相手の妨害レベルの、別のボーダーがココらへんにはとりあえず存在する」ということなんだろう。あと、その時に対策打てないという事。どっちにしても道はわかっちゃいるけど、それを実現するのにはどれくらいかかるか。ともかく、今節に関してはあの仕打ち喰らってひるんでたまるかという部分もあるけど、それとは別で信じて見ていくのが一番いいのではないかと。

そんなこんなこれで一ヶ月。戦績的には申し分ないが、先行きはわりと色々有りそうとは思った次第。僕達の戦いはこれからだ!!城福先生の次年度にご期待下さい締めでは縁起良くないか。とはいえ、至上命題とかいって焦るとどんなオチがあったかをもう忘れたわけでもないだろうし、地に足つけて行きましょうということなのではないかと。ぶっ壊れた(チームの土台が的な意味で)チームってJ2そんなにいない中で、一番派手に飛んだこのチームがこれだけ出来てるんだし。

ということを書いてて、まだ開幕一ヶ月だという事実におどろく。まだ一ヶ月で正否はともかく推測ができるとは。近年にはないチーム構成の行程にただただ驚き。