電子書籍の売り方と買い方という意味でのつんどくの面白さ
秋の夜長は読書とブログらしいので本というか電子書籍のというか電子書籍の形態の感想。
- 作者: 別册文藝春秋編集部編
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/04/26
- メディア: Kindle版
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本の内容の面白さについてはほかのサイトでもAmazonでも別の所を参考にしてくださればと思います(前置き)
ミステリーものの短篇集ということで。電子書籍専門のリリースということでそういうのにはぜひ手を出さないとってことで買ったけど、この手のミステリー的なのとか買わない私ですが、テンポよく一話が展開されるので面白かったですし、非常に買ってよかったなと思います。というか色んな意味で電子書籍オンリーの展開と言うのはアリだなと。
例えば紙の本で(AmazonのCEOを真似てフィジカルの本って言ってみたいけどそれはさておき)800円でこの分量なら面白さ云々の前に結構な持ち歩きの面倒さがあって、自分みたいなそこまで本を持ち歩く習慣のない人や、文庫サイズが関の山な人にも結構面倒で、電子書籍の「他の役割を持つ端末で書籍が読める」というメリットが最大限に引き立ったりします。
あと、電子書籍なら「すぐに読まずとも、買っておいて端末の片隅に入れておいてたまに読む」というのもできるので。これが紙だと一冊二冊が関の山だと、そういうのはなかなか持ち歩かないし、そうなると時間が限られた中でそこまで手が伸びないのではって思う。電子書籍だと当然容量の限りがあるとは、圧倒的にそのハードルは低い。今の端末の容量からすると3MBとかほとんど微細。
なのでこういう電子書籍が活きる「細かい時間」とか「逆に長い時間で読もうと思ってた本が終わっちゃった場合」とかの間を埋める本っていうのに結構需要があるんじゃないかと思うんで。その役割をこのつんどくが担ってくれるんではと思う。そんなニッチ的な言い方すると失礼な気はしなくはないけど。そこを狙ってか新人発掘的な企画もあるみたいだし。
KDPとかでもこういう短篇集でボリューム載せて出すのはありなんじゃないかと思うけど、それはともかく、電子書籍ならではの一つの本のスタイルというかジャンルというかを見たような気がした一冊。次も期待したいところ。