一を聞いて虚数解

枠の外の話

【仮文章】「星と夢が俺らの上に舞い降りた日に」第102回天皇杯決勝 ヴァンフォーレ甲府VSサンフレッチェ広島

こいつスプラ2の時から更新止まってやんの。(いまだにここで書いたアサリの戦術基礎論は正解だと思うけど)でもこれは文章だけでも書かねばならぬ。後でちゃんと仕上げたいけど、する時間があるかはわからない。
でも、それだけ書きたい理由はあった。あと100年は擦っていい快挙の瞬間にゴール裏にいたの本当に感動したし、それだけの体験ができてラッキーだったなと本当に思ったあの日。
なぜならヴァンフォーレ甲府がビッグタイトルに挑めるのは事実上天皇杯しかなく
J1リーグ制するほどの継戦能力(資金・インフラ)はない
・そもそもJ1に居られない。
・そのためルヴァンカップも出場できないし、J1にいるときにカップまで挑める余力は大体ない(ベスト8とかはあるけど)
と国内3大タイトルの中で唯一甲府にとって事実上の可能性が存在するタイトル。だけど102回でJ2が優勝したのは1回。しかも当時のFC東京というJ1戦力そのままで挑んでた、おおよそJ2ではない戦力のチームとは違う、正真正銘のJ2レベル。

ということを加味すると、次回は102年後の第204回天皇杯になる予定なので、102年後の甲府サポーターのためにもこの文章を残しておかねばいけない。(適当)

とりあえず天皇杯決勝行くとか思ってなかったんで、鹿島に勝って決勝進出が決まった瞬間是が非でも行くって決めたし、このコロナの中で声出しゾーンが日産スタジアムとかいうでかいスタジアム(しかもサポーターがお世辞にも多くない甲府で)ということとなれば、声出し少しでもやらないとと、声出おおよそ5年くらいしてなかったけど何とかなるさの精神でいざ横浜。

でもやっぱり天皇杯決勝とかいう前人未到の領域に来るとゴール裏もメンタル全然変わるんだなぁって。まがいなりにも2004年からずっとゴール裏って場所のどこかにいて、声出してるといろんな経験とともに邪念みたいなものがあって、まして甲府みたいな負けが込むのも茶飯事のチームだとある種の「割り切り」「諦観」的なメンタルもだんだん身についてくるもので。それって結構大きな試合で斜に構えちゃう節がある。
だけど、この日は久しぶりってのもあったろうけど、とにかくいつものリーグの時に合ったその邪念が消えるというか発生しなくて「もうこの舞台に次に立つ前に俺は死ぬのは間違いない」って最初に書いたような思いが先に出て「とにかく自分なりの全力だけを、悔いは1ミリも残したくない」って気持ちだけが残ってた。

前半点を取った時も嬉しさは当然爆発だったんだけど、なんかそういう時に大体出てくる「でもこの後はこういうことがあるんだろうな」とか「でもこのチームのパターンだとねぁ」というどこか心理的な防衛本能的なのがなくて、ひたすらその瞬間のプレーとその瞬間出せる全力で声出すって思いしかなかったし、自分の位置がそうだっただけかもしれないけど、なんかいつもよりゴール裏の「邪念」がなかった。多分みんな肌感覚で「この舞台に次がない」ってことがわかってたんだろなって後で思った。102年後まで生き続けるのはタイトル取るよりもそれはそれで難しい。

正直後半はしっかり守れてたけど、交代も勝ってるはずなのに先だったし「守るしかないんだな」って感覚あって、追い付かれたときは「これは終わったかもしれない」という雰囲気も感じた。それは力関係を知れば知るほどそう思えてくるので、致し方ない気持ちではある。

で、当然延長後半のハンドの部分はそりゃ幾多の経験上「命運尽きたか」ってなるのも、ずっとゴール裏にいて年を取り続けたサポーター連中は「わかっちゃう」わけですよ。で、PKの時って確かにコールはするんだけど、ある種のあきらめはあるコールになるんですが、この日はなんかやっぱり「この舞台に次はない」って気持ちがあったんだろうけど、河ちゃんへのコールの熱量が目に見えて違うわけでして、それが効いたかはわからないけどPK止めてくれたわけですよ。

そうなると当然息を吹き返すんだけど、その時の自分含めた周りからの声が「まだいける!まだやれる!」というリーグ戦だと同じシチュエーションでもなかなか出ない種類の声だったなと。いつもの邪念が消えて、体力もついえて、命運も尽きようとしたときに「まだこの舞台に居たい」という執念が今度はゴール裏の声出しを数年できなかった上に加齢を重ねて、いきなり120分という長丁場でボロボロだった連中を支えてたわけで。だからこそ、盛り上がるけどみんな喉がボロボロで、気持ちに声量が追い付かない状態だったのは今になってみればいい思い出

そしてPK戦にいくんですが、精魂尽き果てるとはこのことで、PKっていう祈るしかないフォーマットなのも合わさって、正直キッカーでなくGKのコールだけしかしてなかった。体力とか残ってないから一番大事なところ、特にさっきPK止めた河ちゃんに残りのリソース注ぐしかない!って生存本能的なものが生じてた。相手へのブーイングが少ないはさっきの思いと、スタミナ切れからの本能が送させてたと思うと天皇杯決勝という過酷な舞台は人を成長させるといっても過言ではない。ただ、臣がけるときだけは違った。そんなハチャメチャな天皇杯がこの大会、この年だけでなく20年以上の歴史を一本の線に変わったその瞬間、最後にけるのは彼しかいない。そう誰もが思ってたし、それが実現した瞬間だったから。多分延長までの天皇杯と延長からの天皇杯って思いとして別物に化けてたって後からすると思う。

まあ、勝った後はお祭りなので以下省略ですが。とにかくこの大事な瞬間に居られたのを誇りに思っておりますし、次のビッグタイトル挑戦権が得られる日(102年後予定)までは経験者として語り継いでいきたい所存ではあります。