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一を聞いて虚数解

枠の外の話

城福さん退任に寄せて その1:3年間おさらい

今年一年時間ないのでサッカーネタというか甲府ちゃんネタ書けなかったなぁと。いってるあれよあれよのうちに残留とか退任とかいろいろ来てしまって。例年ならざっくりまとめたいけど、城福さんは甲府史上に置ける大木さんと並ぶか越えるかってくらいの監督になってきてるんでその退任によせていろいろ考えないといけないなって。ってことで、3年を振り返ることで来年からの何かが見える。かもしれない。

2012年(J2優勝)
主な加入:高崎・盛田・佐々木・福田・フェルナンジーニョ
主な退団:マイク・パウリーニョ・阿部(吉)・ダニエル・吉田

就任時は2012年。というか2011年のチームの崩壊と降格を踏まえての就任で(降格が決まった最終節大宮にスカパーの解説で居たってのが微妙にドラマチックですが)パウリーニョ、マイクを筆頭に、阿部(吉)ダニエルらの主軸ががっつり抜けて、吉田・内山の左SB両名一気に移籍と、チームがボロボロに。目玉として高崎とかは来たものの、ダヴィを使うと明言し後ろも2011に補強したメンバーががっつり抜けて大丈夫なんかという前評判。誰もがこれは数年スパンの復帰だなぁとなってたわけで。が、結果はJ2連続無敗記録を更新しての『優勝』。

ついでに、ダヴィはクラブ史上初の開幕戦初勝利を始め、あらゆる場面で勝負強さを発揮。発揮しすぎてそのオフに引き抜かれるくらいにまで復調。この年取った佐々木・盛田・福田は主軸に成長。とくに佐々木は左SBコンバートの上デビュー戦から大暴れ。

この年にはあまりのダヴィ偏重に「チームダヴィ」と各位から揶揄されましたが、前年のチーム崩壊の後でこれなので、この結果をこの戦力でって言われた際には唯一の正解を導き出したんだなって今となっては思う次第。むしろこれ以外で優勝はおろか昇格できる術教えて欲しいくらい。

とにかくチームダヴィとしての練度は凄まじいくらいで、無敗記録作っても勝ちきれなかったり、底まで強くなかったりするのはダヴィが取れなければあとはそのままというのすらあったくらい。攻め手が他になかったというのも多分にはあるけど、それが後々の守備組織のベースになってたんだなと。その辺の「チームとして戦術に徹する」っていう自分が思う今の甲府らしさってところの土台ができてたんだなと。当時は思いもしなかったけど。

2013年(J1 15位)
主な加入:青山・新井・河田・パトリック・マルキーニョスパラナ・平本・水野・羽生
主な退団:ダヴィフェルナンジーニョ・片桐・高崎・永里・ウーゴ他
ダヴィが抜け、途中加入の起爆剤フェルナンジーニョが抜け、昇格組特有の選手が来ないスパイラルにハマり、切り札だったバレーはジュリオの噂とともに清水へ取られ。急いで取った外国人は「当たるまで引く外国人ガチャ」と揶揄される入れ替え頻度。目玉の水野もケガをして、羽生さんは60分限り。安心のヴェルディブランドの両ベテランと青ちゃんさんが気を吐きつつ、昨年をベースにしたディフェンスは通用するも、絶望的な得点力不足が尾を引き8連敗で中断。

今思えば平本(2011年3部リーグ所属)さんとウーゴ(2014年2部でも活躍できず)でJ1戦うって、字面だけでもすごい。

ただ、ここからパトちゃん・パラナおじさんがようやくガチャ当たり。降格候補2チームが順当に降格とまさかの磐田が自爆という間隙を縫っての残留。ここでも他にやり方ないだろうというディフェンスベースからの柏・パトリックでの高速カウンターに突破口を見出しつつ、SBの佐々木をCBにして今のCBを形成。と新井もケガがなければもうちょっとボランチで出番多かったのかなと。河本も8連敗を止めたり出番あり。GKも河田が荻からスタメンを奪ったり奪われたりでよい競争。

前評判の低い2チームが居たのはあるだろうけど、8連敗からの持ち直しでの残留というのは離れ業。ここでもチームダヴィから同じ堅守速攻的だけど、フィニッシャーダヴィとは違って突破口だけどフィニッシュはからきしのパトリックを使うチームに中断期でアジャストさせたのは凄かったし、それが出来るだけのディフェンスのベースというか通用する部分を残せてたのは大きかった。しかもそれが来季にもつながった。

2014
主な加入:クリスティアーノ・阿部(翔)・下田・稲垣・阿部(拓)
主な退団:パトリック・柏・河田・羽生・平本

そして2014年。ダヴィフェルナンジーニョに続き2年連続で攻撃の軸が引っこ抜かれる事態に。というか主な加入って実質クリスとアベショーだけ。しかもおそらくはクリスの相棒になりそうなFWの獲得には失敗してる感が(後にあんな事をしてることから見ても明らか)戦力的には去年より頭数事態まず少ない。しかも湘南・大分→神戸・ガンバ。降格『確定』枠にカウントされて納得してしまうレベルの不利。ディフェンスラインは維持に成功したものの、トドメに大雪。さすがに覚悟はしたさ。

しかも頼みのクリスティアーノも相方がいないがために向いてない1トップにせざるを得ないがために超空転。またしても攻撃力が絶望的なことに。結局この3年城福さんも「守備組織と言われてきたけど、守備の練習はほとんどしていなくて、ほとんどを攻撃に割いていた」っていうのは本当なんだろうなと。とにかく攻撃の軸が毎年必ず根こそぎいなくなってた。けどディフェンスラインは維持出来てた。

で、結果的に盛田さん(38)FW「再」転向という驚愕の事態。2013初頭からスピード面でスタメン落ちが多く、3バックになってからは佐々木にポジション取られてて、一度は0円通知まで来てたなかでのまさかの再契約からのFWとしてキャリアハイ。

ただ、盛田さんも腰痛めたり、90分は持たない時もあり、欠場となるとクリスの空回りは止まらないし、それでもクリスしか突破口を開ける選手が居ないわけで。回る時と回らない時の差が激しいチームであったのは確か。ワールドカップ中断明けは盛田さんが居ても、基本的にはそこを抑えれば回らなくなるというメタを対戦相手にはられてしまい、また得点力不足が深刻なことに。

阿部(拓)はともかくキリノの補強は完全にそこの打開だった(うまく言ったかはともかく)。

反対にDFは2012から基本的な部分は踏襲し、2013の3バックを継続してリーグ随一の堅守をシーズン通して維持。シーズン頭のセットプレーの脆さも改善していったし。ただ、WBが左のアベショーはともかく、右が固定できずにいた(福田がケガ)のとシャドーも流動的で、ボランチも新井がまだ安定しきらない、下田がおもったよりレギュラーに食い込まない、保坂がケガ。とパラナ以外に難しさがあったりして、守→攻に入るところに難しさが。

最終的に途中加入の阿部(拓)がシャドーとしてチームに馴染んで、盛田・克哉との連携がとれた。それによってクリスティアーノが個人能力で勝負できるサブに回ることで一定の解決をみた。という状態。セレッソと大宮のあからさまな自滅と、その絶望的な攻撃力の中で引き分けの勝ち点を積み上げることで、最高難易度のなかでの残留+チーム最高順位+2年連続残留という結果に。

そんなこんなで3年間、攻撃の構築に苦労し続けたんだなぁっていう今更の気付きと、それをサポートできない編成と退任時におもいっきり言われてしまった練習環境ではあったなと。その中で初年度に揶揄されながらも築き上げた守備組織がこの三年の軸になってたし、だからこそ攻撃力の問題を途中加入でリカバリー出来たし、変な話その選手が毎年引きぬかれて、その先で活躍してたわけだし(パトリックなんて甲府で2013やってなかったら2014のガンバの獲得があったかすら微妙なわけだし)

あと、ルーキーの育成もすごく良くなった。とれる人材そのものの質が格段に上がったけど、甲府ルーキーズは目玉級は佐々木がこの三年でリーグ屈指のDFに、河本は浮き沈みありながらも怖さのある選手への片鱗は見せ、下田はセンスはあるので身体を作ればという状態。をJ1で見せてるという部分が凄い。それ以外でも稲垣が運動量を武器に活躍の可能性を見出し、橋爪はWBとしてちょっとづつ馴染みつつあり。

堀米はJ2でのレンタル行脚を終えてこれからが…と、J1と舞台を上げてることを考えればかなりの成長を遂げる事例も見せ始め。

いや、本当に壮絶な3年の中で成果を上げてたんだなぁという。とりあえずあらすじおさらいということで。この3年がチームと見てる人とに何をもたらした(ように見える)かはまた次。